mshortcutの仕組み

mshortcutは、予めサーバに登録されたスクリプトを携帯電話からワンタッチで起動し、結果を表示するソフトウェアです。頻繁に利用するコマンドをスクリプトとして登録しておくことでコマンド入力の手間を省き、サーバ管理者の負担を軽減します。また、コマンドに慣れていない方でも、一度スクリプトを記述しておけばワンタッチで簡単にアクセスログやサーバの状態を監視することができます。

mshortcut_structure

使用までの手順は次の通りです。

  1. 管理対象のサーバ上で動作するスクリプトを記述します
  2. 各スクリプトに対してmshortcut用の設定ファイルを記述します
  3. 携帯電話上でmshortcutを起動し、対象サーバにログインします
  4. mshortcutのショーカットメニューをアップデートします
  5. 一旦ログアウトするので、もう一度ログインします
  6. 登録されたショートカットを起動します

以下ではこの手順について解説していきます。

スクリプトの記述と設定ファイル(setting.ini)の仕様

mshortcutにショートカットを登録するためには、各ショートカット毎に次の2つのファイルを用意し、携帯電話からログインするユーザのホームディレクトリに設置する必要があります。

  1. 実行するスクリプトを記述したスクリプトファイル
  2. ショートカットの名前や説明を記述した設定ファイル(setting.ini)

ログインするユーザのホームディレクトリに”.mshortcut”ディレクトリを作成し、その中に、各ショートカット用のディレクトリを作成した上で上記の2つのファイルを設置します。例えば、shortcut1とshortcut2を設置する場合のディレクトリ構造は下図の様になります。

mshortcut_structure
スクリプトファイルの記述について

スクリプトファイルは、そのまま実行可能なファイルであれば何でも記述可能です。 例えば、tailコマンドを用いてシステムのログを閲覧するためのスクリプトファイルは次のようになります。

#!/bin/sh
tail /var/log/message


設定ファイル(setting.ini)について

setting.iniで設定する項目は、次の4項目です。 ただし、実行するスクリプトのパス以外はオプションになっており、省略可能です。 また、項目はどのような順序で設定してもかまいません。


項目名 説明 省略
Name 携帯電話上で表示するショートカットの名前 日本語で記述可能 
省略した場合は、ExecuteCodeの内容を表示
省略可
Icon 携帯電話上に表示するショートカットアイコンのURL 
詳細は下記の「アイコンについて」を参照
省略可
ExecuteCode 実行するスクリプトファイルのパス 省略不可
Explain スクリプトファイルの説明文 長さの制限はありません 省略可

setting.iniの例
Name=ログの最後を表示
ExecuteCode=./taillog
Explain=tailコマンドを使用して、システムのログの最後を表示します
Icon=./taillog.gif

◆注意

「=」の前後にスペースを入れないでください。

◆アイコンについて

アイコンに指定する画像は、ログイン先のサーバに予め設置する必要があります。


絶対パス Icon=/home/user1/.mshortcut/img/taillog.gif
Icon=~/.mshortcut/img/taillog.gif
相対パス Icon=./taillog.gif
Icon=taillog.gif

ただし、"./"はsetting.iniが存在するディレクトリです。

Iconを省略した場合や、画像の取得に失敗した場合は、下記のアイコンに置き換えます。


mshortcut_noimage

ログイン

携帯電話からmshortcutを起動する前に、予め管理対象のサーバにスクリプトとmshortcut用設定ファイルを用意する必要がありますのでご注意ください。

mshortcutの起動とログインは基本的にmssh2と同様ですのでそちらをご覧ください。mssh2の起動とログインはこちら

login10
基本画面
 
最初の起動時は、ログイン後に右図のような画面が表示されます。この画面を「基本画面」といいます。初回起動時はショートカットは登録されておらず、ログアウトのアイコンと、アップデートのアイコンが表示されます。アップデートを行うことで、サーバに存在するmshortcut用設定ファイルを読み込み、携帯電話のスクラッチパッド(記憶領域)にショートカットの情報を登録します。次回起動時からはアップデートを行う必要はありませんが、サーバに新たにスクリプトを設置した場合などはもう一度アップデートを行う必要があります。
login10

アップデートが完了すると右図のような画面が表示され自動的に一旦ログアウトしますので、指示に従いもう一度ログインを行ってください。
login10

正常に設定ファイルが読み込まれると、右図のように基本画面中にショートカットが登録されます。起動したいショートカットを選択すると、その実行結果が表示されます。
mshortcut
また、ショートカットにフォーカスがある状態でソフトキー1を押下すると、そのショートカットのスクリプトを閲覧することができます。
login10
基本画面を表示中に、ソフトキー2を押下すると、メニューが表示されます。メニューでは次の操作を行うことができます。
  1. サーバからの切断
  2. メニューのアップデート
  3. メニューの初期化(携帯上に存在するショートカットデータを消去)
  4. 文字コードの設定
  5. アプリの終了
login10